富良野の水が綺麗で豊富と言われる理由と贅沢な暮らしについて

都会を離れて生活をするメリットの一つに「水が綺麗だから」という理由を挙げる人がいます。

確かに普段使う水が過度にカルキ臭い…というのは良いイメージがありません。

水質の問題以外にも、地域によっては水不足で頻繁に取水制限がかけられたり、水道料金に大きな差があったり…。

飲用に限った話で言えば、ウォーターサーバーを購入し、定期的に天然水を配送してもらえば解決はできるでしょう。

しかし、それ以外の生活用水を考えると「日本の水は綺麗で豊かだ」と言われても疑問を感じる場面もあります。

「富良野市は綺麗な水が豊富にある…って話があるけど、具体的にはどうなの？」との声がありました。

そこで、今回は「水」をテーマに富良野の様子を紹介します。

富良野の水道施設について

まずは、富良野市役所の上下水道課のページをご紹介します。

ここで第一に注目したいポイントが「水源の種別」です。

富良野市の取水は伏流水や地下水が多く、中には湧水を水源として利用している上水道もあります。

また、浄水方法も減菌のみが多く、これは浄水前の水が既に綺麗である…という根拠と言えます。

元々、富良野は盆地という特性上、山々に囲まれており水の確保はしやすい環境。

さらに開拓時代からの先人が森林や河川を守り、自然環境に負荷の少ない水路を整備設計したことも大きな特徴と言えるでしょう。

水源を空知川の本流から取るだけでなく、点在する支流や地下水を活用しているため、安定的かつ豊富に綺麗な水が使える環境になっています。

水が綺麗な理由について、富良野市でアウトドアガイドの竹内氏に話を聞いてみました。

（竹内氏は源流エリアで体験ツアーを行っており、言わば「水遊びのプロ」の筆頭です。）

水が綺麗な理由として一番の理由に「ダムより上流の水＝山から流れてくるナチュラルな水」があると言います。

その特徴は「水の冷たさ」と「透明度」の２つ。

水源をダムにおくメリットは大きいですが、その良し悪しとは別に水質への影響は避けられません。

この影響が少ない、中にはダムの影響を全く受けない水源がある事が「富良野の水が綺麗」と言える要素の一つでしょう。

特にナチュラルな水の水温は真夏でも1桁で、その冷たさにツアー参加者の多くが驚き、感動をするそうです。

富良野市内に住んでいても、源流エリアの川の水温と透明度に息を飲む事があります。

竹内氏も「山から流れでる本当に綺麗な水の素晴らしさを体感してほしい！」と言っていました。

富良野の基幹産業である「農業」でも、美味しい野菜を作るためには良質の水は欠かせません。

富良野市内でも特に綺麗な水がある麓郷エリアの「共済農場」で働いている山本氏に話を伺いました。

国内の他の地域と比べることは難しい…としながらも、上流域の水を直で農業用水として使えるメリットは大きいと言います。

水は農作物に直接散布することもあるため、作物に直接的な影響が出るのは当たり前の話。

それは、生育や収穫量だけでなく、味や品質にも直結する問題です。

これは共済農場に限った話ではなく、富良野で農業を営んでいる全ての農家に言える事…だと、山本氏は言います。

「富良野の野菜は美味しい！」と全国的に言われていますが、その背景には気候や土地の良さに加え「水質の良い農業用水を確保しやすい環境」も挙げていました。

その背景には、先述の「自然環境に負荷の少ない水路」の存在が大きい…と山本氏も実感しているそうです。

余談ですが、水源地域には季節になるとホタルを見ることもできるそうです。
＊なお、農場周辺は私有地のため立ち入り禁止です。
　加えて、夜間の山歩きはクマとの遭遇率も高く道迷い遭難にも繋がるので1人で行くのは絶対禁止です…と念のため。（土地の所有者の許可や「ホタル見に行くぞ〜♪」とお誘いがあれば可）

上記で紹介したような、アウトドアツアーや農場近くに行かなくても、綺麗な水を楽しめるスポットが富良野市内には点在します。

主なスポットを紹介すると

・太陽の里（キャンプ場）

があり、普段の散歩に＋αするだけで綺麗な水を楽しむことができます。

この他にも　「富良野岳・滝めぐりコース」や「富良野西岳・沢コース」など、登山に合わせてナチュラルな水を楽しみに行くのも良いでしょう。

　＊エキノコックスの恐れもあるため、飲水は控えてください。

アウトドアをしなくても、毎日、綺麗な水で食事をして風呂に入る…っというのも、ささやかだけど超・贅沢な暮らしですよ♪