就業した移住者の声 「財木晶代」
移住のきっかけを教えてください
以前北海道を旅した時に上富良野のゲストハウスでヘルパーを経験し、そこで生活したことが始まりでした。初めて暮らした北海道の夏は景色も良くて湿度も低く、海外みたい!と感じました。その時はまだ、“北海道いいなぁ”と漠然と思っていました。旅を終え実家に帰り、仕事も辞めていたのでこれからどうしようかと考えた時、北海道に住みたいなぁという思いを両親に伝えたところ、「いいんじゃない?!」という言葉をもらいました。となると、住む場所と仕事が必要です。そこから仕事を探し始め、ちょうど富良野市が地域おこし協力隊を募集していて応募することに決めました。なぜ上富良野ではなかったのかというと、その頃、上富良野も中富良野も南富良野も全部”富良野”だと思っていたんです(笑)。地域おこし協力隊に着任してから、それぞれが町や市であることを知りました。
移住後の仕事について教えてください
地域おこし協力隊の仕事内容は、東山地区に住み直売所の仕事に携わりながら地域を活性化するというもので、産直野菜の販売、FBなどでの情報発信、事務仕事、また、地域の方々との交流も含めとても充実していました。そのように過ごしていた中でこの場所と出会い、レトロな雰囲気のこの建物で何かやりたい!と思い始めました。ドーナッツ屋さんを始めると決めてから、改装中にはたくさんの地域の方々の手助けと応援を受けました。寒い中作業をしていると温かい飲み物を差しいれてくださったり。地域の方々の力添えがあったからこそ『縁輪堂』を開店できたと思っています。それまで、東山という地区に“人が集える場所”が無かったので、オープン当日におばあちゃんが4人で来てここで過ごしてくださったことや、少しずつお客さまが増えてきたことはとても嬉しかったです。
地域おこし協力隊の任期を終えても、この地域から離れることは考えていませんでした。『縁輪堂』を続けることで、地域の方々だけで無く遠方からもここを目指して来てくださることも増え、新しい出会いがとても楽しいです。自分が丸めたドーナッツを喜んで食べてもらえることにやりがいも感じています。「おいしかったよっ!」と言ってもらえるとまた頑張ろうと思います。
なぜドーナッツを選んだかというと、富良野に無いもので自分が好なものだから(笑)。卵や粉など地元産素材を使い、全て手作りのドーナッツです。
季節や曜日にもよりますが、早い時には朝4時前から、遅くとも6時にはその日の仕込みを始めます。夜は9時には寝たい!そんな毎日です。冬は暗いので朝起きても満点の星空で起き辛いです(笑)。
富良野での生活はいかがですか
この辺りからは少し距離はありますがスーパーも病院もありますし、週に一回買い出しに行けば困ることもありません。役所に関わる手続きも市役所の支所があるので安心です。まわりは綺麗な景色ばかりでしょっちゅう感動しています。夏は夜になると涼しくなるし、本当に過ごしやすいです。ただ、冬の除雪は大変!ママさんダンプ(除雪道具のひとつ、北海道ではポピュラーです。)を使って自宅周りや店舗周りを除雪するのは一苦労です。でも、この冬から地域の方がトラクターを貸してくださることになったので、自宅周りの除雪が楽になると思うとホッとします。早寝早起きをしているからか、環境が良いからか、大阪に住んでいた頃に比べると病気もしなくなり、風邪もひかなくなりました。きっとストレスがないからですね。
移住を考えている方へアドバイスをお願いします
振り返ってみると、移住って結構勇気が必要ですよね。仕事を辞めたり、引っ越さなきゃいけなかったり。でも、その勇気を出して来てみたら、なんとかなります!数年前までは私も北海道に移住するなんて思ってもいませんでしたが、今は幸せで楽しいから本当に来てよかったです。いきなり移住することに不安がある方のためにも、気軽にワンシーズンだけ“ちょっと移住”のようなシステムが富良野にもあったらいいなぁと思っています。手厚いサポートがあると移住を考えている方には喜ばれそうですね。
財木晶代(ざいきあきよ)34才 2018年4月富良野市地域おこし協力隊着任 2021年3月退任 現在 ドーナッツ&コーヒー『縁輪堂』オーナー 出身:大阪府高槻市 2021年現在 |